【3】出会いを求めて

○Hさん:26/フェムネコ/恋人同棲/普通体系/フリーター

つづき

つれて行かれたお店は、カフェだった。
H:「マスター、新入り連れてきた」
マスタ:「あれ。Hちゃんが連れてくるには、珍しく落ち着いた子だね」
H:「今日から恋人だもんねー。Feelちゃん。」

とあるビルとビルの間に、ほっそりとしたお店があった。私が来たことのない通りで、少し飲み屋街の雰囲気がしていた。
「え、まだ何も知らないし。それに恋人がいるんじゃなかったの?」と、まともに返す私に、
マスター:「・・・新しいタイプだね。」
H:「貴重でしょ」
マスター:「貴重だ」
と言っていた。
どうやら、ノリが悪いと言いたかったようだ。

マスターは、ビアンでボーイッシュ風の人だった。おそらく、トランスジェンダーではない。
そこでマスターが作ってくれた食事を食べながら、マスターとHさんと会話をしていた。
奥には、3組ぐらいの女子の塊ができていた。おそらく一般の客だった。私たちはカウンター席に座っていたのだが、

H:「ネコの子、紹介してあげたいけど、私の知り合いに君に合う子はたぶんいない。みんなコミュでつながっているし、元カノは友達って子ばかり。狭い世界だよ。でも、君みたいな子の需要はかなりある。だからこういうお店に来て、一人で来ている女の子をさがして、声をかける。それが一番。」

そう大きな声で言われて、あの一般のお客に聞かれたらどうするんだろうとびっくりした。

あとで調べたところによると、そのお店は「ビアンの人が経営しているお店」としてネットで紹介をされていた。
お店では、ビアン同士が出会うイベントも開催されていて、参加者も募集中だった。
ただ、タチが12、3人のところ、ネコが4人くらいの申し込み状況だった。ネコの需要の高さに驚いた。

「Hさんも、こういう会に参加すると、両手に花状態になるの?」
H:「タチにも、ピンからキリまでいるから。タチもこれだけの人数が来るけど、いい子は2、3人かもね」

タチに多いのは、ボーイッシュだと言われた。
私は、髪も長く化粧もするため、男性には見間違えられない。

H:「男性ぽかったらイイわけじゃないよ。君は完全にボイでいけるよ、参加する?」
「ん~」私は想像した。

10数人のボーイッシュな女の子の中に、数人の安室奈美恵がいるところを。
あ。「安室奈美恵」というのは、単にフェムの子の例えなだけです。

もちろん、たくさんのボーイッシュは、数少ない安室奈美恵にたむろするだろう。
そのたくさんの人を押しのけてまで、安室奈美恵と話ができるくらいの度胸は私にはないと思った。

「今回は遠慮します。また、参加したくなればお邪魔してもいいですか?」
マスター:「いつでも来てね。火曜日が休みだから、恋人ができたら連れてきてもいいよ」

笑顔でそう言ってくれた。
H:「じゃぁ、次行こう」
彼女が立ちあがった。私は支払いを済ませ、マスターにお礼を言って店を出た。
Hさんはどんどん道の奥に行く。そこはネオンの看板が立ち並ぶ、いよいよ飲み屋街だった。
「どこに行くの?」そう聞く私に、彼女は答えなかった。時刻は15時ごろだった。


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