【4】出会いを求めて

○Hさん:26/フェムネコ/恋人同棲/普通体系/フリーター

つづき

H:「ここがウチ。夜に、バーに連れて行ってあげたいんだけど、時間が早いからさ。ちょっとウチで時間をつぶして行こう」

飲み屋街の裏に、閑静なアパートがあった。少し古いコンクリートの建物で、彼女の家は2階にあった。
階段を上がり、中に入れてもらった。部屋の中は、とてもアジアンチックな雰囲気だった。
麻でできたようなラグに、色とりどりの小物。
そして、アロマオイルかお香か、不思議な香りが漂っていた。ここで、彼女は恋人と同棲をしていた。

H:「好きなところに座って」
そういわれて、クッションの上に正座をした。

H:「正座する人、久しぶりに見た」
「え?みんなどうやって座るの?」
H:「だらぁって。家でするみたいに。しない?」
「家ではするけど、初対面の人にはできないかも。」

彼女はお茶を出してくれた。
そして、過去の恋愛などの話をしていた。彼女はいつしか涙ぐみながら話を聞いてくれた。そして、

H:「歌うわ!」

急にそういってギターを手に、歌を歌い始めた。バラードだった。私は彼女をじっと見ていた。

初めて会った人が、自分の話を聞き、そして歌を歌っている。
とても上手だった。
この曲は、私の過去を慰めていくれているのだろうか。彼女が歌い終わったとき、どう対応したらいいのだろう。
そんなことを考えていて、歌詞が頭に入ってこなかった。
でも、彼女のギターがとても使い込まれてることに気づくのだ。
彼女はこのギターを大切に使っているようだ。

歌い終わった彼女に、
「そのギター使い込まれてるね」私はそういった。
彼女は嬉しそうだった。

H:「歌を褒めずに、ギターに触れる人初めて見た。そう、このギターは10代のころからずっと一緒。私はいつか有名な歌い手になるんだ」

彼女のギターに触らせてもらった。彼女が握っていたからか、温かかった。
そして、ポロンっと弦をはじいてみた。彼女が、抑える指を教えてくれた。
彼女と手が触れる。

一瞬ハッとしたけど、態度に出すと悪いと思った。

ギターを弾きながら、彼女の恋人について聞いてみた。彼女は棚にあった二人で写った写真を指差し、

H:「最近、あまり相手をしてくれないんだ」

そういった。
そこには優しそうな恋人と映っている写真があった。
恋人の描写は控えるけれど、2人とも賑やかそうな様子が見てとれた。

「お付き合いして、長いの?」

H:「長いよ、〇年」

私はそんなに長く同じ恋人と付き合ったことがなかったので、その話を聞いてうらやましく思えた。

「羨ましいよ、いい出会いがあったんだね。」

彼女は笑った。
でも、私にはちょっと寂しそうに見えた。


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