【5】出会いを求めて

○Hさん:26/フェムネコ/恋人同棲/普通体系/フリーター

「同棲して長いの?」

H:「○年。いつまで、同棲するのかな。」

「え?」

H:「『ずっと』はビアンにはないんだよ」

「・・・そうかな。私は、次に付き合う人はずっと一緒に生きることができる人がいい。」

彼女が見つめてきた。
そして、

H:「踊ろう!Feel!」

彼女は、突然音楽をかけ、踊り始めた。
やりたいことをやりたい時にする、とても感覚的な女性だった。

どういう曲と表現すればいいのだろう、賑やかなディスコで使われるような曲ではなく、
おしゃれなダンスミュージックだった。
私は踊ったことがなかったけど立ち上がり、Hさんを見よう見まねで真似をした。

H:「ヘタクソw」

「だって初めてだよw」

H:「そうじゃない、こうだよ」

「こう?」

H:「あはは〜」

「笑」

2人で笑いながら踊った。
いろいろなポーズをしている間に、腰や体がぶつかり合った。
目が合った。
彼女が私に近づく。

?:「ただいま」

突然、誰かが帰ってきた。一瞬にして彼女が、私から離れた。

そして彼女の恋人が入ってきた。
私は踊って息が上がる中、立ち止まって、「お邪魔しています」そう挨拶をした。

Hさんは曲を止めながら、
H:「昔の友達。久しぶりにこっちに来ていて」
そう私を紹介した。どうやら合わせたくなかったようだ。

恋人:「そう。外から見たら、カーテンが揺れてたから」
そういって、じっと私を見た。
そして、Hさんを呼んで、2人で外に出ていった。

恋人はボーイッシュで、私よりずいぶん年上に見えた。とてもラフな格好をしていた。
なんの仕事をしているのだろう。そもそも仕事中だったのだろうか。

そう考えていると、

H:「申し訳ないんだけど、急に用事ができてしまって・・・」
彼女が戻ってきてそう言った。
「そっか。いや私も突然来てしまってごめんね。久しぶりに会えて、良かった」彼女の話に合わせた。
やはり、恋人によく思われなかったようだ。

H:「ごめんね。でも、ありがとう」

私は彼女に見送られた。
去り際に、後ろから手を握られた。
私は驚いた。でも彼女は一瞬でその手を離した。
彼女の手は冷たかった。

H:「またね」

「またね」

彼女と会ったのは、これが最初で最後だった。
帰り際に、メールではいくつか話をした。

H:「女の子は、たまに違う世界もみたくなるんだ。今日は素敵な夢を見れた。」

そのようなことを言われたのを覚えている。

彼女は、結局歌手になれたのだろうか。
ハンドルネームしか知らないので、彼女が歌手になれたのかどうかは、私はわからない。
でもあとで知ったことなのだが、彼女はその街では有名なビアンだったらしい。
素敵ないい子とビアンの中でも有名で、タチはみんな彼女を狙っていたのだと。
音楽活動をする彼女の写真を、別の時に出会った他の人に見せてもらったが、とてもかっこよかった。

私は彼女のことをとても覚えている。
それくらい、人生で初めて会ったビアンの彼女は、私に大きな印象を残していった。

今頃、どこかで活躍していることを願って、ここに書いてみる。


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