【2】講師が連れてきた戸惑い

【2】講師が連れてきた戸惑い

同性愛者の講演後、学校全体の雰囲気が一気に変わったように感じた。

 

大概の学年に1人か2人、ボーイッシュな女の子や、ちょっと気弱な男の子がいたりするものだが、
教室では、友人たちが「あの人は同性愛者ではないか」と、以前からみんなとは雰囲気が違う感じていた友人たちを、
声を大きくして、疑惑をかけ始めた。

 

その時、私は友人には疑惑はかけられなかったのだが、Zさんが私に対して、急に話をしてくれなくなった。

 

私は、自分が何か、先輩に対して悪いことをしたのではないかと悩み始めた。
このころの私の立ち位置は、
仲のいい友人は作るものの、常にクラスの誰とでも話ができるところだった。
一匹オオカミではないが、極力目立ちたくないと考えていても、結局最後は真ん中にいる感じ。
現在でもこの性格は変わっていないようだが、私はあまり口数が多い方ではないので、あの頃は先輩と話題を探すのに必死だった。
私はZさんの会話のきっかけにと、キティーのことを調べていた。
もし彼女とキティーの話をすることになったときに、どういう話をすればいいのか、
本物を持っていなければ話ができないと思い、ゲームセンターでキティーを得た。
そしてその時に調べていたのが、耳やリボンの位置とか、目と目の間隔を物差しで測っていた覚えがある。
普通の人なら、キティにどういう種類があるかとか、キティの仕草とか、ぬいぐるみ以外のグッズの種類とかを調べるのだろうけど。
今考えて、なぜあんなことを調べて、いったいどういう会話ができたのやら。

 

 

そんなことをしているある日、別の先輩から聞いたのだ。
Zさんが、Zさんの同級生の男子の先輩たちに、私の関係のことを「同性愛者か?」とからかわれたという話を。
先輩は否定したと聞いた。
その件があったから、私は先輩に相手をされなくなったのだと、私は思った。

私は自分の心境が、この時わからなかった。
というより、考えることが怖かったと思う。
私は先輩を好きなのか、自分は本当に同性愛者なのだろうか。
いや、同性愛者になってはいけない、女性を好きになってはいけない。
好きになってはダメなんだ。

 

 

当時の日記には、自分に言いきかせるように、この言葉が並んでいる。




つづく。



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