【5】「好きだ」言いたくても、言えない言葉。

【5】「好きだ」言いたくても、言えない言葉。

私は自分が女の子に恋することは、認めざる負えない心境に至っていた。

周りの友達は

「あの男子がカッコいい」
「あんな先輩が恋人だといいのに」

そんな話をしているころ、私は

 

「あの先輩が可愛い、あの女性はいい香りがする、あの子の首筋は綺麗だな、鎖骨が美しい」、

 

そんなことを考えていたのだった。

同級生たちと、あまりにも人を見る視点が違いすぎる。
でもなぜ、みんなは男性が好きなのだろう。
女性の方が、可愛いし、いい香りがするのに。

 

 

そんな時に、私の事を好きだと言ってくれる女の子がクラスに現れた。
相手は同じクラスの女の子で、私にちょっかいを出してくれる、かまってくれる女性だった。
彼女と話をしていると、自分も周りも笑顔になり和むことができたので、
私も彼女と話をするのは楽しかった。
彼女は友人として、私を良く思ってくれている程度だということはよく知っていた。
軽く口に出して好きだと言ってくれているのであって、
本気の好きという雰囲気ではないと。

 

何より、彼女は私に限らず周りの友人に対しても「好き」だと度々言っていた。
言われる私は、素直に嬉しかった。
「本気の好き」という感情は中学生のころに痛いほどわかっていたからこそ、
この痛い思いを友人が軽く口にしているわけはないと、確信していたので、安心して嬉しさを感じていた。

 

 

そのころ、私はNに対して完全な恋に落ちてしまった。
寝る前に目をつむると、彼女の笑顔が瞼の裏に現れる。
私は、寝ている間も彼女を思い出し、会話をしていた。
そして、夢の中で私が彼女に対して「好きだ」そう言ってしまうのだ。

 

そして、いつもここで目が覚めていた。
はじめの頃は、悪夢に思っていた。
だけどいつしか、日常にできない会話を、夢の中でできることを幸せに思い始めた。
でも、この思いを彼女に知られてはいけない。
知られてしまうと、彼女に気持ち悪いと思われてしまう。
今の日常の幸せが、崩れてしまう。
その葛藤に、苦しさを覚え始めた。
彼女の事を考えるたびに、嬉しくもあり、同時に苦しさも感じていた。
彼女に触れたいのに、触れることができないのだ。

 

 

私が自分の中で、感情と戦っているときに、
NはNで自分の感情と戦っていた。
友人に好き(友人として好き)と言われて嬉しがっている私に対し、
Nは

N:「Feelを取られる」

と言って不安がっていた。

「とられるわけはない、友達だもの。」

Nはずっと一番大切な友達だよ。だから大丈夫。
そう言葉にするけれども、納得しない彼女に、私はもどかしさを覚えた。
もう一歩進みたい、いや、それはダメなのだ。

また、中学校の頃の二の舞に・・・。




つづく。



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