【11】私も彼女も若かった。周りの世界が変われば、自分たちの世界も変化した。

私たちは、高校生の一大イベントである大学受験を迎えた。

 

私は行きたい学科があったのだが、親に反対され、
親に別の学科を勧められた。

大学に行きたくない、将来そんな仕事はしたくない、
悩む私に彼女は言った。

 

N:「同じ大学へ行こう。そこにはご両親の言う学科もある。そして一緒に住もう」

 

お互いに学科は違ったけれども、二人とも一緒に住むそのつもりで勉強をした。
彼女の言葉は心強かった。
だけれども、私は大学生活のことを考えると、あまり勉強が手につかなかった。
Nはこのことにとても心配をしてくれていた。

 

 

 

でもその心配は、結果として当たるのだ。
結局は、私がその大学を落っこちてしまった。

最終的に私は、親が進めた学科で、しかも行きたくもない大学に通うことになった。

 

 

大学は、楽しくなかった。
同期の友人はとても芯のある子ばかりで、話をしていてもとても面白かった。
みんな真剣にその学科のことを思って進学してきていた。
そんなみんなを見ていると、自分自身がとても恥ずかしく思えて、
私は自分の大学ではなく、いつのまにか彼女の大学も通う様になり、彼女の大学の授業を聞いていた。

 

彼女は、きっと私があきらめてその学科を邁進するだろうと、
思っていたようだったけれども。
私がすっかりふさぎ込んでしまったものだから、困惑をしていたようだ。
だんだんと会話もしなくなった私に、Nは距離を置き始める。
いつの間にか、彼女はバイトをはじめ、サークルにも入り、
私の知らないところでとても活動していた。

 

もともと行動派な彼女がったので、仕方ないことだった。
彼女は子供が好きだったのだが、道などで通りすがりの子供を見つけては、子供の話をするようになる。
そして、

 

N:「子どもが欲しいと」

 

真顔で言うのだ。

 

 

 

 

ある日彼女から好きな男性ができたとの話を聞いた。
私はショックで、自分の大学の授業にも、彼女の大学の授業にも出なくなった。
行くことが、できなくなったのだ。

 

 

 

そして私はある場所で一日中、クラシックを聴いて過ごすようになる。
それはオーケストラの卵たちの演奏だった。
彼らが奏でるたまに外れる音が、私自身の人生の歯車が欠けた音を表現しているような気がして、

その場からなかなか離れることができなかった。




つづく。



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