【13】友情という愛を受けて、我に返った。

彼女の授業に出るようにという言葉を無視して、前を向いて音楽を聴いていると、
彼女は私に手を出し始めた。

 

前を向く私のほっぺたをつねったり、つついたりし始めた。
そして最後にはぽんぽん叩いたり、
静かに海坊主のように、前に立ちはだかったり。

 

そして「にぃっ」って笑う。
つられて笑う私。

 

T姉:「よしよし、笑えるならば腐っていない」

 

不思議な子だなと思った。

 

「なんで私にかまうのかな?」

T姉:「話せば面白いから。最近しゃべらないし、なぜ授業に来ないのかなって。あ言わなくて大丈夫。観察中」

 

観察中って言われても、触ってきているのだから、実験に近い。
また彼女はアイメイクのモデルもしていたので、
そんな目力のある、しかも女性に見つめられるのは何とも恥ずかしくて、
大変照れていた覚えがある。

 

 

 

T姉さんは私より1つ年上で、4人弟妹の長女だった。
高校の時にモデルの世界に足を踏み入れていたようで、入学した時に少し話題となっていた。

彼女は一浪人して大学に入ってきていたので、
大変勉強は熱心で、志が私と全く違った。

 

反して私は授業に全く出ていないダメな子だったので、
そこが彼女の勘に触ったようだ。
大学でたまに会うと、彼女は私に昏々と親の苦労と、勉強の大切さを説いた。

 

 

またこんな真面目な彼女には想像もつかなかったのだが、お笑いが大好きで、
ウンコとか下ネタとかバかバかしい話が大好きだった。
簡単にいえば、残念な美女というところだろうか。
車は、トヨタのセリカというスポーツカーか、
ダイハツのムーヴのミッションに乗っていた。

どちらも年期が入った代物だった、
車が大好きで、お互いそこがとても気が合ったのだった。

 

彼女は持ち前の明るさから、同期の学生の信頼も集めていた。
姉御肌でスポーツ大好き。
スポーツがメインの日は、都心であろうとジャージで登校していた。

 

 

 

T姉さんの勧めから、
渋々、私は夏休み明けから授業に出るようになった。
友達もみんな心配をしてくれていた。

 

私はいつの間にかT姉さんのグル―プに入っていた。
周りは、田舎者の私は見たことのない、あかぬけた人種で満たされていく。
正しくは、『彼女たちがやって来た』と私は思っている。

 

 

いつの間にか、私は大学になじんでいった。




つづく。



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