【14】初恋の人と初めての別れ。

【14】初恋の人と初めての別れ。

Nには、T姉さんの事はなにも話さなかった。

 

 

こういう話ができない関係になっている時点で、私たちの関係は既に崩れていたんだと思う。

T姉さんとは、大学でずっと二人で過ごすようになる。
授業も、ご飯も一緒に食べるようなっていった。

 

私たちは、よく食堂にいた。
私たちの食堂は、他の大学に比べてでザイン的な空間で、
食事のとき以外はとても静かな空間だった。

私は大学に着くと、テラスで池を眺めるのが日課だった。

彼女はその傍で、私に問題を出しながら勉強をしていた。
私は、T姉さんとの二人の時間が、どんどん増えて行った。
その冬、私の1つの恋が終わることになる。

 

 

 

 

寒くて、連日雪が降っていた日だったと思う。
Nから呼び出されて、別れ話をしていた。
別れたくないので、泣く私。
彼女の車の中だった。
寒い夜で、車の中の二人の話の加熱具合で、窓が曇りはじめた。

 

N:「Feel、男になってよ。私子供が欲しいの。男になって」

 

 

彼女は泣いた。
徐々に雨も降り始めた。
泣いている彼女を見て、男になると言えない自分に、
私は好きな人を泣かせることしかできないと、大変な失望感を感じていた。

 

その時、ふと視線を向けた先にフロントガラスがあった。
そのフロントガラスを見ると、

 

?:「N好きだ」

 

見たことのない、男性的な字が書かれていた。

フロントガラスに文字が浮かび上がっている。
指の油がついた部分だけ、曇らなかった。

 

「あ、そうか。終わったのか。」

 

Nの好きな男性が、書いたのだろう。
彼の言葉はクリアだった。

 
涙が止まる私。
私の様子とフロントガラスに気付き、声を上げて泣きだす彼女。

 

 

そう、私は彼女を幸せにしてあげることができない。
子供も作ってあげれない。
大学にも行かず、たくさん心配をかけた。
最近、ろくに話をしてあげることも、笑顔にしてあげることもできていない。

 

限界だ。

 

彼女の頭を撫でて、

 

「ごめんなさい。別れをありがとう。」

 

 

車を降りて、冷たい雪のような雨に濡れながら、私は歩きはじめた。




つづく。



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