【5】私に道を指した人

私は彼女の考え方に、すごく看過された。

私は実際、とても素直な人間で、
見るように言われた動画は見るし、男性と付き合ってみたらと言われたら、実際に付き合った。
もちろん、言われたから従っていたわけではない。

なぜ、した方がいいのか。
することによって、どういう経験を得ることができるか、
そのことを私自身が、納得をしたからだ。
あと、私が1番初めに彼女に話した、私がメールを始めた理由を彼女は深く理解してくれた。

Y:「楽しそう。お付き合いしましょう。」
と。

「エッチな画像を送ってこられていたので、一体どんな人かと思っていました」

Y:「好きでしょ、ああいう画像」

「苦笑」

結局、立ち向かえないのだった。
ビアンの好み、というか、人間をよくわかっているなと思った。
彼女は、私が普段付き合ったことのないタイプの人間だった。
落ち着いていて、静かに話す。

私は口数が少ない方だが、彼女も少なかった。
上の世界を生きてみたいのであれば、遊びでもいいからを付き合いしてみる必要があるかなと、思った。
体だけの関係も有りなのかな、と。

出会ってから、4時間が経とうとしていた。
「また会ってもらえますか」
デザートを食べながら、私は言った。
すると彼女は

Y:「もう会うつもりはないわ」

と笑顔で返された。

Y:「だって、これ以上の関係が私たちに有るかしら」

「そうですね」

私はとても寂しくなった。
だけど、その通りだ。

「私は動画の意味も、気づけた気がします。あと、自分の針路は、自分で見つけなければと思います。」

Y:「迷っているなら、これからお部屋に一緒に行く?」

何もかもお見通しだ。

「いいえ、帰らせていただきます。」

Y:「•••あなたの人生に会った人を探しなさい。もしあなたの生きる世界が変わって、私たちが再びめぐり会う時が来たら、再会しましょう。でも忘れないで、今のあなたと私は一緒の世界なの。わかる?あなたは、ここから上に行く?下に行く?」

出会っているからこそ、今は同じ立場なのだ。

私は頭がくらくらした。
そして最後に、

Y:「以上、Yでした」

彼女は慎重な低い声でそう言った。
会う前の電話では、あんなに明るい声だったのに。
その低い声は、私の目の前にいた気品ある女性の、飾っていない心からの応援詩のような気がした。


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