【2】人の人生を台無しにしたことを後悔した。

Nは、私と別れた1年後に大学を中退した。

「大学に通う意味を見いだせなくなった」というのが彼女の話だった。
その原因に、私自身が入っていることは明らかだった。

私は、人の人生を台無しにしたことを後悔した。

 

Nと別れた後、私は真面目に大学に行き始めた。
T姉さんが、頻繁に声をかけてくれていたからだ。
遅れた勉強を取り戻すには結構な勉強が必要だった。
授業中はうとうとしながら勉強し、終われば図書館にこもり、夜は遅くまで勉強。

 

 

私の住む町は田舎だったので、電車は1両編成の可愛い車両が走っていたのだが、
深夜の真っ暗な闇の中を走るこの電車を見るのが好きだった。

小さな窓の明かりのシルエットが、
ゆっくり左から右に動き去ってゆく様子は、宮澤健二の銀河鉄道を思い起こさせた。
カンパネルラ。
もしあの時死んでいたら、私はあの電車に乗っていたのかもしれない。

 

 

T姉さんとは仲が深まって行った。
私も彼女のバカバカしい話に対応できるようになっていった。

私たちは多くの夜も一緒に過ごしていたが、
ほとんど勉強をしていたので意識を失うようなを酒の飲み方や、賑やかなを店に入り浸っていたりしたわけではなく、
真面目な学生生活を送っていた。

そんな中、T姉さんがが私の家に泊まりに来た日、

 

 

T姉:「女の子とのエッチってどうやってやるの」

 

そう聞かれた。
突然だったけれども、すごく冷静に会話できた自分がいた。

 

「やってみようか?」

T姉:「昔の恋を引きずる人とはしたくない」

 

キスをしようと、私は思った。
布団に横になる彼女に近づいて行った。
すると、彼女が身構えた。

硬直し、見つめあう私たち。

 

 

「ごめんね、驚かせちゃったね。」

 

彼女の緊張が、少し弱まるのが分かった。

 

 

T姉:「・・・。私たちは、何年一緒にいることができるの?」

「何年、だろうね。何か月、かもしれない。」

T姉:「Feelはそれでいいの?」

「いやだけど、仕方ないかもしれないね。」

 

彼女が、とても切ない顔をして、私を見ていた。

でも、当時の私には同性愛として長い関係を築く方法を、どうしたらいいのか、全くわからなかった。

 

「付き合ってくれる?」

T姉:「えー」

「今日のスカート可愛かったよ」

T姉:「そういうことは、実際にはいている時に言うものだよ」

 

もう一度、彼女に近づいた。

彼女は、身構えなかった。

彼女の眼には、不安そうな私が写っていた。

 

T姉:「Feelのこと、泣かせたくないな。」

 

 

まだ何か言いたそうだったけれども、そのまま彼女の口をふさいだ。




つづく。



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