私の過去

初めて彼女が送ってきたメールは長文だった。

初めて送ったメールへの返信を待つ時間は、特別ドキドキするものだ。

 

あの日は、想像していた以上に、彼女が返信してくるのが遅かった。

「ダメかもしれない」
そう感じていたので返信が来た時は特に嬉しかったんだ。

彼女は私が送った文章に感想をプラスして、さらに質問もくれていた。

それが、彼女の最初のメール。

 

その文面に丁寧に返そうとすると、私も長くなった。
1日に1通のやりとり。

それまでの人生の中で、会話のメールでは最長ではないかと思う長いメールを返した。

その返信に対して、3日目。

彼女があまりにもさっぱりとメールを返してきたからよく覚えている。
最後の文章に、書かれていた。

『そうそう。明日からしばらくヨーロッパへ行きます。留学です。ネット環境が不確かなので、しばらくメールが返せないと思います。』

 

明日から?

・・・ヨーロッパぁぁあ!?

意味が、よくわからなかった。

彼女は年齢を30代と書いていたからだ。
留学って、学生がするものだと当時の私は思っていたのだ。

金銭面も自立していると、書いていなかったっけ?
住んでいるところは・・・確かに、まだ日本だけど・・・

そう思って、彼女の投稿を見直そうと掲示板へ飛んだ。
するとそこには彼女の投稿は、もうなくなっていた。

彼女が削除したらしかった。

「私と出会ったから、彼女は消したんだ」

それを見て、私も申し訳なくなって、3日かけて(とてもとても時間をかけてプロフィールを考えたんだけど)考えた投稿文を、一瞬で消した。

 

そして、上に書いたような疑問を取りまとめて、とにかく無事でついて欲しいと願いながら返信した。
彼女から返信が来たのは、私がメールを送った1週間後だった。

次に来たPeeさんからのメールには、『なぜ海外に行くのか』『どうやって行くことになったのか』が、具体的に書かれていた。

 

それまでの私は、自分のことをなるべく隠して、隠して、そして会ったときに

「言ってもいいかな?」

と思う人に、自分の詳細を話す感じだった。


とにかく秘密主義な人間。
だからなんでも素直に書いてくる彼女には、とても驚いた。

いや。
彼女が書いている話は、もしかしたら嘘かもしれない。

もちろん、当時はそう思った。
具体的に書かれても、私はそれが本当か嘘か、調べようがなかったから。

 

でも7年以上たった今言えることは、彼女が書いていたこと全てが本当だったってこと。
ただ、天性の甘えん坊だという、本人も気づいていなかった話以外は。





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