アーティスト(芸術家)のパトロンしてます、FEELです。
7年ほど日本のアート業界を横目に見ていますが、アーティストって本当に奇妙な生き物ですよね。
私はパトロンで、「お金と、手伝いという体力の支援」だけで直接作品は作りませんし、作れませんが、
アーティストを客観的視点で見てきた7年間の知識をまとめてみたいと思い、この記事書いてみます。

- 現代アートのアーティスト・作家ってどうやってなるの?
- アーティスト(芸術家)になるための資格ってあるの?
- アーティストになっても、食べていけるか心配
このような疑問を解決できる記事を用意したので、良かったら参考にしてくださいね。
取り上げる「芸術家・作家・アーティスト」の定義


まず、この記事で取り上げる「芸術家・作家・アーティスト」の定義をしてきますね。
一言で「作家・アーティスト」といっても、本格的な美術教育を受けた人もいれば、趣味でやっていたら突然ブレイクする人など、様々ですよね。
今回記事で扱う「芸術家・作家・アーティスト」は、
- 問題定義のアート作品を作っていて、デザイン優先ではない
- クラフトではない
- 今作っているモノを、アートに寄せようとしている人でない
つまり、一般的な人やオシャレ雑誌に「アートぽいね」「アーティスティックだ」と言われるのではなく、
を指して書いていきたいと思います。
「アート業界」と「一般」の評価は違う
そもそも、「アート業界の評価」と「一般的なTwitterなどでバズる評価」は違います。
Twitterや日本のメディアで取り上げられるアーティストの多くは、
- 超絶技巧で、高級感
- デザイン的にオシャレで、華やか
こんな人で、Twitterやインスタで突然バズり「アーティスト」名乗る人も多いです。
ただこのような人はメディアには取り上げられてはいても、日本の「アート業界」には取り上げられないので、一発屋的で終わります。
なぜなら、
※「アート業界」で扱う要素はまた別の記事で紹介します。
現代アートの芸術家・作家になる方法まとめ


現代アートの芸術家・作家になる方法は以下です。
- 美術教育を受ける
- 美術教育を受けず、独学でなる
では順に解説します。
方法①:美術教育を受けてアーティストになる


まずは、一般的なアーティストのなり方であって、「王道中の王道」といっても過言ではないです。
※アーティストにオススメの大学は別の記事で紹介します
賞をとれなければ、卒業後少し苦労します
- レジデンスへの参加
- 展覧会の開催
- ギャラリーとの契約
アーティストとして活動していきましょう。
美術教育を受けてアーティストになるメリット
美術教育を受けるとアーティストとして、ブランドが保証された信頼感を得ることができます。
- CV(アーティストのプロフィール、ポートフォリオ)に美術教育の学歴が書ける
- 海外の人からも、美術教育を受けていることで信頼が高まる
- 賞やレジデンス、助成金などに応募する際に、審査員の目に留まりやすく、企画側が採用しやすい
これって、お金を出しても得ることができないものすごく有益ですよね。
日本のアート業界の美術教育の重要性
実は、日本の現代アートの世界って、美術教育を受けているかどうかとても重要視しています。
岡本太郎賞受賞者を見てください。
みなさん、美大や、美大院卒ですよね。
仁科展受賞者を見てください。
各美術協会の会員ですよね。
木村伊平賞の受賞者を見てください。
日本写真協会の会員ですよね。
日本のアート業界は、すごく権威に縛られています。
なので、大学卒のルートで、このような協会や派閥に所属し、目上の人に気に入られて仕事をもらうのが、
以前は、一番手っ取り早い成功の道でした。
ただですね、2018年以降は、この方法でも成功していないアーティストはたくさん増えています。
それだけ、協会とか派閥の力が海外で評価されなくなり、アート業界の仕事が減っているということでしょうね。
美術教育は遅い早いある?
結論、あると思います。
ただ、「美術専門校⇒美大⇒アーティスト」とストレートできた人も知ってますし、
「社会人10年⇒美大大学院⇒アーティスト⇒世界活躍」したアーティストも知ってますので、本人次第でどうにでもなるのではないでしょうか。
方法②:美術教育を受けず、独学でなる


アーティストには資格は不要なので、独学でなることも可能です。
さぁ、名乗りましょう。それだけで、
この受賞歴が、独学の場合一番苦労するかもしれません。
冗談ではないです、本気でいってます。
独学でアーティストになるメリット
独学でアーティストになるメリットは以下です。
- 業界内で、自由に発言できる
- 展示や作品内容や評価について、師弟関係に左右されない
- 過去の形式にとらわれず、行動できる
言い換えると、美術教育を受けた人は「いろいろなこと」を気にしながら作家活動をしています。
ただそれは「守り」でもあって、独学でアーティストになるとその後ろ盾がないので、これがメリットにもデメリットにもなる感じです。
現代アートの芸術家・作家と名乗るための【資格】とは?
実は、アーティストや作家には資格は不要です。つまり、誰でもなることができます。
- 必要な資格:不要
- 決まった年齢:なし
- 決まった分野:なし
自分で「作家と名乗ろう!」「僕はアーティストだ!」この思いだけでなることができます。
アーティストして判断される要素は必要
ただ、本当の意味で「アート業界で評価されたい」のであれば、アーティストとして判断される要素は必ず必要です。
- 作品
- 学歴
- 関係者、交友関係など
例えば、私が「アーティストのパトロンをしています」と言っていますが、なぜ読む人は信頼しているのでしょうか。
理由は、
ですよね。
アーティストと名乗るのであれば、それなりの「証拠」があれば、アート業界でもきちんと認められます。
アーティストの仕事の証明が欲しい
少し話は逸れますが、アーティスト・芸術家になったことで、自分がアーティストになった証明が欲しい場合ってあると思います。
そんな時は「開業届」を提出して活動するのがオススメです。
- 「お店を開いたよ」「アーティストになったよ」と国税庁(税務署)に知らせる書類
- 提出書類:A4の用紙1枚(税務署は、返信用にコピーして2枚送ってね)
- 提出先:近くの税務署
- 提出期間:アーティストになって1カ月以内
個人事業主になったことを税務署にお知らせする書類なのですが、「職種」を書く欄がありますよね。
この部分に
と書いて、税務署に提出すればOKです。
- 1カ月以内に出さなければ、2度とアーティストになれないの?
-
いいえ。提出月は確定申告で確認されて、例えば、
・4月1日からアーティストになりました
と税務署に提出したら、確定申告で使える領収書は4月1日以降のモノということになります。
2月中や、3月に買ったものの領収書は使えない、というだけなので良きに扱ってください。
後日、税務署の受付印が押された「開業届」の返信があるはずです。
これで、アナタがアーティストとして仕事を始めた証拠、国に認知された照明になりますね。
アーティストとして活動する上での心得


アーティストを目指す人の中には、「アーティストって儲からないんだよね」「食べていけるか心配」こんな意見もあると思いますが、大丈夫です。
それってアーティストだけでなく、デザイナーでも、スタイリストでも、どんな業界でも同じなので安心してください。
そしてどの業界でも、みんなやっていることがあって、
例えば、
- 本業のダンサー + 介護職員
- 本業の写真家 + 飲食店バイト
- 本業のデザイナー + 派遣社員
これが「カッコ悪い」と思うのであれば、アーティストは辞めた方がいいと思いますし、ダンサーも写真家も、デザイナーも難しいですよね。
現在有名なアーティストのみなさんも口には出しませんが、
- 昔は多くの仕事を経験している
- 今も別の仕事の掛け持ちかもしれない
- 株、FXは言わないだけで、常識
- ブログやTwitter、YouTubeで作品を販売したり、資金を調達している
- 口にしないだけで親が超お金持ち
- 隠れたパトロンがいるアーティストも多々
お金については、様々なドラマがあると思って間違いないです。
まとめ:アーティストとしての成功補償はどこにもないのが現実


最後に現実的な話として、
どの方法を通ったとしても、アーティストとしての成功の補償はどこにもありません。
ただ1つあるとすれば、「展示を積み重ねること」それだけです。
ですからね。
では今回の記事はこの辺で。
Appendix
もっと詳しく知りたいという方にオススメの参考図書は、次の通り。
アートを買うのはお金持ちだけではありません、誰が買うかは理解しておきたいですよね。